愛犬が年を取ると一人でできなくなることが多くなります。
介護というととても広いテーマなので代表的なものとその対処法について書いていこうと思います。
また、夜鳴き、認知症は別ページに書いてあるのでそちらをご覧ください。
老犬になると病気にかかりやすくなります。ご飯を食べない、排泄がしにくそうなどでも病気が原因の場合もあります。そのため、一度は獣医さんに診てもらうといいでしょう。今回は、病気以外の考えられる原因と対処法についてまとめてみました。
食事
○食べる量が減った
筋力低下により頭を下げて食べるのがつらくなっているのかもしれません。その場合は、ワンちゃんに合った高さの台を用意して頭を下げなくても食べられるようにしましょう。
味覚や嗅覚の衰えにより食欲が低下することもあります。そんな時は、フードをぬるま湯で温め香りをだしたり、缶詰などの嗜好性の高いフードにするといいでしょう。
また、歯周病など歯の痛みや違和感が原因の時もあります。その場合は、柔らかいフードを与えたり、獣医さんと相談し痛み止めをうまく活用しましょう。
○自力でフードを食べられなくなった
自力で食べられなくなったワンちゃんには飼い主さんが食べる事を手助けしてあげるといいでしょう。
ただし、ワンちゃんの状態により介護の方法は違います。今の愛犬の様子をみて判断してあげてください。
・スプーンや手で口の前までフードを持っていく
・ふやかしたフードを小さなお団子のようにして口の前に持っていく、口に入れる
・流動食をシリンジ(針の無い注射器のような物)で口に入れる
などの方法があります。ワンちゃんの様子を見ながらしっかり飲み込んだかを確認してあげましょう。ペースが速いと気管に入って(誤嚥)しまうことがあります。
また、食べさせるときは可能な限り立って食べている時に近い姿勢にすることで誤嚥になりにくくなります。
ワンちゃんによっては口の中にフードを入れられるのを嫌がることもあります。無理に入れると噛もうとすることもあるので様子を見ながら介護をしていきましょう。
○食べた後なのにご飯を欲しがる
認知症で食べたこと自体を忘れている可能性があります。
そんな時は、一回の量を減らして、回数を増やすようにしましょう。
○体重が増えた
年を取ると必要なエネルギーの量が少なくなります。そのため、今までと同じ量をあげていると太ってしまうこともあります。
太ってしまうと足腰に負担がかかることに加え、病気の早期発見が難しくなってしまうこともあります。
ご飯の量はワンちゃんの体重、様子を見ながら変えるようにしましょう。
○水をあまり飲まなくなった
ワンちゃんも人と同じで年を取ると喉の渇きを感じにくくなります。そのため、水をあまり飲まなくなります。脱水にならないよう、お水を飲むよう声をかけたり、お水に少しだけお肉の煮汁を入れ味をつけるなどの工夫をしてみましょう。
また、足腰が弱まり水があるところまで行くのが大変な場合もあります。その時には、普段ワンちゃんがいる場所の近くに水飲み場を作ってあげましょう。
排泄
ワンちゃんも人同様年を取ることで排泄に問題が出てきます。
○排泄しにくそう
まずはトイレの環境を整えてあげてください。床を滑りにくくし、しっかり踏ん張れるようにするだけで効果が出るワンちゃんもいます。
足腰の弱りにより排泄しにくそうな場合は体を支えてあげるのもいいでしょう。手で支えてあげたり、ワンちゃんに合う介護グッズを使用しましょう。
○トイレの場所を間違える
トイレの場所を間違えるのは認知症の可能性があります。
そのため、トイレの場所を増やしたり、間違える場所が大体同じところの場合はそこにトイレを設置するなどしてあげると間違える回数が減ると思います。
しかし、衛生面での問題や間違えた場所でした排泄物の片付けなど大変なことが多いと思います。その場合は、無理をせずおむつを使いましょう。
○自分で排泄できない
自分で排泄できなくなると圧迫排尿やカテーテル排尿という人の助けが必要になります。どちらの排尿方法も方法を間違えると感染症などになってしまうことがあります。しっかりと介護の方法を獣医さんや専門家に聞き行うようにしましょう。
また、便秘の場合はお腹や肛門周りのマッサージをしたり、歩けるワンちゃんは適度に歩くと便が出やすくなります。
○排泄時にワンちゃんの体が汚れる
排泄物による汚れは皮膚によくありません。汚れが原因で皮膚病になることもあります。そのため、汚れたらワンちゃんの体についた排泄物を赤ちゃんのおしりふきや水のいらないシャンプーなどできれいにしましょう。
また、あらかじめ肛門周りやお腹、後ろ足の内側など汚れやすい所の毛を短めにカットしておくとお手入れが楽になります。
移動
○立ち上がりにくい
筋力が低下することにより立ち上がりが大変になってきます。そんな様子が見られたときは立ち上がるところだけを少し介助します。
大変そうだからと全てを介護してしまうと出来るはずの事もやらなくなってしまい、だんだんと本当に出来なくなってしまいます。
介添えについては、メーカーから出ている専門の補助器具を使うこともありですが、バスタオル等をお腹の下に通して、ハーネス代わりにするのは簡単です。
○歩かない・歩けない
年を取ると昨日できたことが今日はできなかったり、逆に昨日できなかったことが今日できる、そんなことを繰り返しながらだんだんと出来ない日が増え出来ないことが増えていきます。
そのため、歩く事も日によってできる日出来ない日があります。歩ける日には無理のない範囲で散歩をし歩くのが難しい日はのんびり過ごす、カートを使って散歩に行くなどしましょう。
歩行補助ハーネスや車いすなどはうまく活用すればとてもいいと思います。ただ、介護用品は使用時期が早いと嫌がったり、老化を進めてしまうこともあります。時期が遅いと使用しても意味がありません。
愛犬に合う介護用品を適切なタイミングで使用するようにしましょう。
立ち上がりの介助でバスタオルの方法を書きましたが、歩けないようになってきたときは、バスタオルに足を出す穴をあけてハーネス代わりにするのも一つの方法です。
支える人間がきつくならないように、何かに引っ掛けたり、簡単に持てるようにすると介護が楽になります。
寝たきり
寝たきりになると注意が必要なのが褥瘡(床ずれ)です。
立ちたくてバタバタと足を動かしたり、同じ体勢で長時間いたり、ベットのよれによっておきます。
一番多いのはバタバタと足を動かすことによってできるケースです。うまく動けないけど動きたい!という思いで動いて同じところが擦れてしまい褥瘡になってしまいます。(肩回りや、腰の関節部・肘・膝等)
そのため、自分で体勢が変えられない時には数時間おきに向きを変えてあげましょう。本やサイトによっては1時間毎に体位交換を進めているところもありますが、そんなに頻繁に対応できないものです。
2~3時間空いてもいいと思いますし、夜はそれなりに時間が空いてもいいと思います。
ただ、同じ姿勢で寝たきりの場合関節が固まってしまうため、ゆっくり足を延ばしたり、マッサージするといいです。
体を動かさないでいると筋肉や関節が固くなっていきます。すると動かしたくても動かせなくなり、ケガにもつながります。そのため、なるべくマッサージをして固くなっていく速度をゆっくりにしてあげてください。マッサージは、ワンちゃんの体を優しくなでてあげるだけでも効果があります。
ワンちゃんも介護でも人の介護同様無理をしないことが大切です。ワンちゃんは飼い主さんが無理をしているのを感じると言われています。
飼い主さんの心身の健康とワンちゃんのためにも老犬ホームなどをうまく使って愛犬とのより良い生活を送りましょう。