暑くなってくると、熱中症に注意が必要なのは人だけではありません。

暑い夏の日はワンちゃんも熱中症に注意が必要です。

最初に熱中症になり炎天下の庭先で動けなくなったため全身やけどをしたワンちゃんの写真です。

やけどしたワンちゃん

やけどがかなりきれいに治ってきた時の写真です。

治療する前はもっと赤くなり浸出液が出ているような状況でした。

やけどしたワンちゃん

このワンちゃんは幸い、毎日の治療により傷もきれいに治り後遺症も出ませんでした。

やけどしたワンちゃん

熱中症は死亡率が50%を超えるとされています。しかし、熱中症は予防により防ぐことができます。愛犬を苦しめないように熱中症とは何か、何に気を付けるべきなのか知っておきましょう。

熱中症とは

様々な原因で体温が上がり、体温の調節機能が正常に働けなくなってしまったためにいろいろな症状が出る病気のことです。

日射病や熱射病という言い方もあります。

人は暑くなると汗をかいて体温を下げます。

しかし、ワンちゃんは肉球だけしか汗をかけません。そのため、熱を体の外に出すことが難しく熱中症になりやすいと言われています。

ワンちゃんは汗をかく代わりに口を開け舌をだし、ハァハァと呼吸し(パンティングという呼吸の仕方)熱を逃がしています。

症状

・激しいパンティング(口を開けハァハァという呼吸)
・多量のよだれ
・ふらつく
・ぐったりする
・嘔吐
・下痢
・意識がなくなる

などの症状がみられます。

パンティングは元気なワンちゃんでも見られます。普段は一時的なもので体温が下がるとやめています。熱中症になると苦しそうに治療をするか悪化し意識がなくなるまで続けます。

症状の経過

ワンちゃんの体温が上がってくると激しいパンティング(ハァハァという呼吸)をし、体温を下げようとします。

それでも体温が下がらないと、よだれが多量に出て、足元がふらついてきます。

その後、嘔吐や下痢をしてぐったりしていきます。

重症になると、けいれん発作(意思とは関係なく筋肉が動く)をおこし、意識がなくなります。

そのまま何も治療をしないと最悪の場合亡くなります。

治療をしても重症の場合は脳や内臓に後遺症が残ることもあります。

原因

高温多湿の場所に長時間いる、アスファルトが熱い時の散歩、エンジンを止めた車の中でのお留守番などです。

そもそも、ワンちゃんは暑さに弱い動物なので注意が必要です。

夏になると夕方になってからお散歩をするという飼い主さんも多いと思います。夕方になってもアスファルトは熱を持ったままの時間があります。お散歩の前にアスファルトを触り、熱くないことを確認してからお散歩に行きましょう。

治療

熱中症になっているワンちゃんを見つけたら、まずは風通しのいい日陰に移動させます。(エアコンの効いた室内に移動できる場合はそこに移動する)

そして、水が飲めるようなら水を飲んでもらいます。飲めないワンちゃん、飲もうとしないワンちゃんに無理矢理飲ませると水が気管に入って危険なので自分で飲めない場合は飲ませません。

同時に体を冷やしていきます。ぬれたタオルで体を包んだり、水(冷水ではない)を体にかけます。他にも、タオルで巻いた保冷剤などで首の頸動脈、わきの下、内股(人で言われている場所と同じ場所です。)を冷やすことも効果的です。

熱中症になったワンちゃんは体温の調節がうまくできなくなっています。そのため、冷水や氷などで冷やしすぎると急激に体温が低下しさらに状態が悪化することもあるので注意が必要です。

また、軽症でも脱水など内臓に影響が出ているかもしれないので一度獣医さんに診察をしてもらうといいでしょう。

予防

原因となるような状況(高温多湿の場所、アスファルトが熱い時の散歩、エンジンの止めた車の中)にしないことです。

室内飼いの場合はエアコンを使い室温を調整しましょう。

屋外で飼っているワンちゃんも暑い時だけ部屋に入れてあげたり、風通しの良い日陰になるところに小屋を移したり、冷たい水をいつでも飲めるようにしてあげましょう。

また、鼻が短いワンちゃんや寒いところが原産のワンちゃん、肥満のワンちゃん、高齢のワンちゃんの場合より一層の注意が必要です。

高齢になると、体温を調節する機能も衰えていきます。さらに、暑くても足腰が弱くなっていると動けなくなってしまうこともあります。そのため、重症になりやすくなります。

熱中症は防げる病気です。愛犬が苦しまないためにしっかり予防をしましょう。