がんという病気は知っている飼い主さんが多いのではないでしょうか。
人の死因の1位といわれているがんですが、ワンちゃんの死因でも1位であるといわれています。(ワンちゃんの場合未登録などもあり正確に統計が取れないため断言ができない)
さらに人よりもワンちゃんの方ががんになりやすいのです。
ワンちゃんのがんにも人と同じようにたくさんのものがあります。
その中でも特に、乳腺腫瘍・肥満細胞腫・リンパ腫が多いとされます。
まずは、実際の様子を写真で見てみましょう。
このワンちゃんは、耳の中(内耳)にがんができました。
耳から出た膿のようなものによって耳の周りまで汚れています。
だんだんと大きくなり耳の外にまで出てきました。
さらに大きくなり顔の前の方にもがんがあります。
がんが重くて顔が傾いてしまっています。
また、血や浸出液(臭う)により汚れてしまうためマナーベルトやおむつを使って周りを汚さないように工夫しています。
がんは外側だけでなく、内側(脳の方)にも成長していきます。
そのため、脳に達して亡くなってしまいます。
手術ができるかどうか、どのような治療を行いどのように終期を迎えるかは難しい問題ですし、飼い主さんによって考え方が違います。
愛犬ががんになった時にパニックにならないよう、がんについて知っておきましょう。
それではがんについて書いていきたいと思います。
そもそも、がんとは…
人の細胞は普段から古い細胞を新しい細胞に変え続けています。
その過程で突然、遺伝子変異をおこし勝手に増え続けてしまうものが出てきます。
それががんです。
がんは、もとの場所から離れても増えることができ、移動し増え続けることを転移といいます。
症状
がん細胞が多くのエネルギーを使うので、ご飯を食べているのにどんどん痩せてきます。
そのほかは基本的に、出来た場所により異なる症状が表れます。
例として、〈乳腺腫瘍〉と〈耳道の腫瘍〉の症状を書いておきます。
〈乳腺腫瘍〉
・乳腺があるところに手で触って分かるコリコリとしたしこりがある
しこりは一つだけの場合もあれば何個もある場合もある。
乳腺腫瘍は、他のがんと比べしこりが急速に大きくなるものが多いです。
〈耳道の腫瘍〉
・耳が臭う
・耳から膿のようなものがでる
・頭を振る
・耳やその周りを触ろうとすると嫌がる
・耳をかく
などです。
症状の経過
初期は、脂肪腫(ほとんどが良性の脂肪のかたまり)と同じような、小指の先程度のものですが、硬いケースが多いです。
初期であれば、手術で簡単に除去できるケースが多いです。
癌細胞はどんどん大きくなり、皮膚の限界を超えると、皮膚を突き破って成長します。
この写真が足にできた腫瘍が皮膚を破って成長しているものです。
この場合、出血と体液の流出が止まらなくなり、血流が悪い端の部分から壊死も始まり衛生環境が一気に悪化します。
原因
がんになるはっきりとした原因は分かっていません。
しかし、高齢犬になるとがんになるワンちゃんが多いです。
他にも、遺伝が関係している可能性や環境(受動喫煙、除草剤をまいた草をなめる、食べる)などが原因の一つにあるとされています。
そして、〈乳腺腫瘍〉や〈前立腺がん〉は性ホルモンが影響しているとされています。
治療
治療はがんの出来た部位、ワンちゃんの年齢により様々です。
例えば、〈乳腺腫瘍〉の治療法は、手術をしてがんがあるところをとります。
しかし、手術は全身麻酔で行うため他の病気があったり、高齢で全身麻酔に耐えきれないと判断されると手術は出来ないこともあります。
手術が出来ない場合は、放射線治療、抗がん剤治療、対処療法を行います。
その場合も、ワンちゃんに合わせてどのように治療していくか異なります。
ワンちゃんが高齢の場合は、痛みをとったり、元の生活に少しでも近づけられるようにしていくことが治療になることもあります。
ワンちゃんの年齢やほかに病気があるのかなど様々なことを考慮しながら治療方法を考えることが必要です。
予防
普通の生活で発見できるがんは、皮膚がん類(乳腺腫瘍、皮膚がん、肉腫)です。
これらは、しこりを触ることが出来ます。
普段のスキンシップの中で気にしながら触ってあげることで早期発見につながります。
また、定期的な健康診断もがんの早期発見に大切です。
ほかには、子供を産ませない時は早めに避妊・去勢手術を行う。
受動喫煙や除草剤などに注意する。
などの事が予防になります。
日常生活でできる事
愛犬ががんと診断されてから飼い主が生活の中でできる事はたくさんあります。
一つ目は、食事についてです。
がんになると痛みなどから食欲が落ちることがあります。
前述したように、がん細胞がたくさんのエネルギーを使うので食べていても痩せていってしまいます。
がんと闘うためにはしっかり食べることがとても大切です。
少し工夫をすると食べてくれることがあります。
例えば、ドライフードをふやかしたり缶詰のフードにする。
食事を温める、おいしそうな匂いをつけるなどです。
また、食器の高さをあげうつむかなくても食べられるようにしたり、スプーンや手で口まで運んであげると食べやすくなり、よく食べてくれるようになることもあります。
二つ目は生活環境です。
動くのが大変になると褥瘡(じょくそう)という床づれができやすくなります。
痛みもあり治りにくいので、作らないことが一番です。
そのために、愛犬が使うベットを工夫したり、寝たきりのワンちゃんは数時間おきに体の向きを変えてあげましょう。
三つめは免疫力です。
がんと闘うには免疫力を高めることが大切です。
リラックスしたり、笑うことにより免疫力が高くなり、ストレスによって低くなるという話は聞いたことがある飼い主さんも多いでしょう。がんと闘うには免疫力を高くすることが重要です。
愛犬の免疫力を高めるためにたくさんスキンシップをとり、飼い主さんが笑顔で話しかけてあげましょう。
愛犬ががんになると大変なことが多いかもしれません。
飼い主さんが無理をしていると愛犬にも伝わってしまいます。
適度に休みながら、愛犬との毎日を過ごしてください。