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前庭疾患

この動画のように愛犬が突然バタバタとのたうち回るように暴れ、パニックになったことのある飼い主さんもいると思います。

老犬になると犬種関係なく起きやすくなる前庭疾患、いざという時に落ち着いて対応できるようにしておきましょう。

それでは、前庭疾患について書いていこうと思います。

前庭疾患とは

耳には平衡感覚をつかさどる前庭という器官があります。その前庭に異常が起こり頭が傾いたり(斜頸)、目がぐるぐる回る(眼振)という症状が出ている状態のことです。

前庭疾患の初期症状には、なんか普段と様子が違うな、おかしいなという風に感じ、少しすると調子が悪いのかな、たてない、眼振(目がぐるぐる回る)という症状が出てきます。
その後、様子を見ていたら急に旋回(バタバタとのたうち回る)の症状が出て、ここでパニックになり獣医さんに行くというケースがよくあります。

もちろんワンちゃんによって症状や重症度はさまざまで、初期症状と言われる眼振(目がぐるぐる回る)で前庭疾患の症状が落ち着くワンちゃんもいますし、旋回(バタバタとのたうち回る)の症状がでるワンちゃんもいます。

この動画が眼振(目がぐるぐる回る)の様子です。よく見ると目が右から左に動いているのが分かると思います。

症状

・斜頸(頭が傾いている)
・眼振(目がぐるぐる回る)
・旋回(バタバタとのたうち回る)
・横転
・食欲低下
・よだれを大量に垂らす
・嘔吐
・元気消失(いつもより元気がない、動きがにぶい)
・うまく歩けない
・つまずく
などの症状があります。

ただし、前庭疾患は生死につながる病気ではなく、痛みもない場合が多いです。
しかし、人間でいうとめまいや乗り物酔いのような状態のため不快感を感じることはあるとされています。

症状の経過

初期症状が起きてから一日もたたないうちにひどくなることが多いです。
症状がひどくなると旋回の症状になり、のたうち回って暴れます。
食事がとれないほど重症化する場合もあるので様子をみながら点滴などの対処をおこないます。
発症後3~4日が症状のピークであるワンちゃんが多く、そこから2週間~1カ月くらいかけて治ってきます。
しかし、斜頸(頭が傾いている)は比較的残りやすいです。それでも2カ月~1年ほど(そのワンちゃんにより異なる)時間が経つとだんだん良くなってきます。

原因

前庭疾患の原因は抹消性、中枢性、突発性の3種類に分けられます。

そもそも前庭疾患の原因である前庭という器官は、抹消と中枢に分けられます。
抹消とは、前庭とつながっている神経や内耳と言われる耳の奥の方のことです。
中枢とは、脳の一部のことです。

 ①抹消性→中耳炎、内耳炎、甲状腺機能低下症
 ②中枢性→脳梗塞、脳出血、頭部外傷、脳腫瘍、中毒
 ③突発性→老犬の突発性前庭疾患(検査をしても原因が分からない)

治療

病気が原因となって起こり、原因になった病気が分かっている場合はそれに対しての治療。
特発性の場合は有効性がはっきりとした治療法が今はないため、対処療法(吐き気があれば吐き気止めの点滴をしたり、水分が摂れず脱水状態になっていれば水分を点滴したり)をしながら自然回復を待ちます。

予防

基本的には、前庭疾患は突発的に起こるため予防法はないとされています。

・耳掃除をこまめにする。(外耳炎を予防することで前庭疾患の原因の内耳まで炎症が進むことを予防できる)
・異変の早期発見

日常生活でできる事

愛犬が前庭疾患になったら、安全で快適に休める空間を準備しましょう。
前庭疾患の症状によりまっすぐ歩けなかったり、バタバタとのたうち回っていると普段は安全な家の中でも危険なところがあります。
特に階段からの落下や家具の角などへの衝突に注意し、サークルやコーナーガードなどを使って危険がないような工夫が必要です。

また、前庭疾患のワンちゃんは自力で歩ける場合は抱っこで移動するよりも、自力で歩かせた方が自然に回復しやすいと言われています。

前庭疾患で直接、生死につながることはありません。しかし水が飲めなかったり、食欲がなくなると体力が落ちていきます。高齢犬で体力が落ちると老化をより進めてしまうことになります。獣医さんと相談して点滴で栄養を取ったりしながら回復を待つことになります。

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