毎日のスキンシップの時にふと愛犬の口のにおいが気になったことはありませんか?

もしかすると、歯周病が臭いの原因かもしれません。

飼い主さんは愛犬の歯についてどのくらい知っていますか?

ワンちゃんは人よりも多い、42本の歯(永久歯)を持っています。

そして、人と違いワンちゃんの口内環境はアルカリ性です。そのため、虫歯にはなりにくいかわりに歯周病になりやすいのです。

3歳以上のワンちゃんの80%以上は歯周病や歯周病予備軍と言われているほど多い病気です。

今回はそんな歯周病について書いていこうと思います。

歯周病とは

歯周病とは、歯肉炎(歯ぐきの炎症)と歯周炎(歯肉炎が悪化し歯を支える骨まで炎症している)の総称のことです。

ワンちゃんの口の病気で最も多いと言われています。

症状

・口臭
・歯肉(歯ぐき)の赤み、腫れ
・歯がグラグラする
・食欲不振
・鼻水
・くしゃみ
・顔の腫れ

飼い主さんが一番気が付きやすい症状は口臭です。歯肉からでる膿によって臭いがします。

歯肉は正常なワンちゃんはピンク色をしています。それが歯周病になると赤くなります。

症状の経過

最初は口が臭くなり、歯肉が赤くなってきます。

歯がグラグラしたり、痛みが出てくると食欲が低下してきます。

その後、鼻水やくしゃみ顔の腫れなど歯以外にも症状が出てきます。

顔の腫れた部分に穴が開き、中から膿が出てくることもあります。

また、歯肉炎の原因になっている最近が血管に入り体中に移動することで心臓や腎臓に影響が出る事もあります。

原因

原因は、歯垢や歯石の中の細菌です。

朝起きたときや歯磨きができなかったときに、歯の表面がネバネバしてきたことはありませんか。そのネバネバの事を歯垢といいます。

歯垢を放っておくと固まって歯石になります。

その、歯垢や歯石の中にはたくさんの細菌がいます。(1gあたり1000億個以上の細菌がいると言われています。)

高齢になるとワンちゃんも人同様に唾液が出にくくなります。すると食べカスが口の中に残りやすくなったり、口の中の環境を整えるのが難しくなります。

そして、年を取ると少しずつ歯石の量が増えていきます。歯石が増えると、歯周病になりやすくなります。

その結果、老化により歯周病になるとワンちゃんが増えていってしまいます。

治療

一度できた歯石は簡単には取れないため、全身麻酔で歯石をとっていきます。

その後は、どこまで症状が出ているかにより異なります。

まだ、初期の段階であれば歯石をとり歯磨きなどで予防をします。

膿があれば取り除き、薬の投薬が必要になります。

もっとひどく、顔に穴が開いてしまっているような場合は歯を抜いて他への悪影響を起こさないようにします。

予防

歯磨きにより予防ができます。

しかし、すでに歯石になっている場合は歯磨きでは落とせないため歯石のついている量にもよりますが予防として全身麻酔で歯石をきれいにすることもあります。

他にも、歯ぐきマッサージにより血行をよくすることができます。

日常生活でできる事

歯周病になったワンちゃんに日常生活でできる事は、また歯石が付かないようにすることです。

つまり、予防することです。

ワンちゃんは歯垢が3日で歯石になると言われています。

ちなみに、人は20日くらいなのでワンちゃんは歯石になるのがとても早いことが分かると思います。

そのため、最低でも3日に1回は、できる事なら1日1回歯磨きをしてあげるといいでしょう。

また、口周りに触られることに慣れていないワンちゃんの場合はいきなり歯ブラシでの歯磨きを目標にするのではなく、まずは口周りに触れる。次に口の中に手を入れられる。ガーゼなどで歯を磨ける。最後に歯ブラシで歯磨きが出来る。など少しずつ少しできるようにしていきましょう。

特に成犬や老犬になると慣れるのに時間がかかります。ワンちゃんにあわせて、無理のない範囲で歯磨きをしてあげましょう。

歯周病のように毎日の予防で防げる病気もあります。

ワンちゃんのために毎日コツコツと予防していましょう。