高齢者の認知症は知っている、介護したことがある飼い主さんも多くいると思います。

認知症は人だけではなく犬にもあります。

下の動画は、認知症のワンちゃんです。

ちなみに、夜鳴きについては専用のページがあります。

その夜泣きは痴呆なの? 夜泣きの対応について

今回は大きく認知症について書いていきいます。

そもそも認知症とは

脳が変化して今までできていたことが出来なくなっている状態のことです。

近年はワンちゃんの長寿化により認知症が増えてきています。

また、認知症の多くは柴犬などの日本犬や日本犬ミックスです。

症状

いきなりすべての症状が出るわけではありません。

最初はたまにぼんやりしている時があったり、呼びかけても反応しなかったり程度なので老化と思いがちです。

・ぼんやりしてる
・夜鳴き
・昼夜逆転
・呼びかけに反応しない
・失禁(粗相の事)
・徘徊
・食べたことを忘れる
・狭いところに入り出られなくなる

症状の経過

人の認知症で例えるとアルツハイマー型認知症に近いとされています。

そのため、緩やかに症状が進んでいきます。

原因

・老化(11歳以降になると増えてきます)

・水頭症や脳腫瘍などの脳の疾患

治療

進行を遅らせるための脂肪酸サプリメントや薬

失った脳の機能を戻すことはできません。

しかし、これから失っていくスピードを遅くすることができます。

そのことで残された時間の生活の質を維持し、より良い終期を迎えられるようにします。

予防

脂肪酸サプリメントの投与、適度な刺激のある生活

適度な刺激のある生活とは、言い換えれば単調な生活をしないということです。

例えば、散歩やご飯の時間を一定にしない、散歩コースを変えてみる、新しいおもちゃで遊ぶ、などです。

日常生活でできる事

・徘徊、狭いところに入り出られなくなるなどの症状がある場合は…

ワンちゃんが歩き回ってもケガをしないように円形のサークルを用意したり、家具にぶつかってケガをしないようにコーナーガードなどでぶつかってもケガをしないようにします。

また、狭いところ(家具と家具の間など)はふさいでおくといいでしょう。

・失禁の症状がある場合は…

失禁はトイレの場所が分からなくなってしまったり、年をとり筋力が落ちたことで間に合わなくなって起こります。

そのため、トイレの場所をワンちゃんが普段いる場所の近くにしたり、おむつをはいてもらうなどができます。

・食べたことを忘れる症状がある場合は…

一回のご飯の量を減らし回数を増やしましょう。

そうすることで、症状が出にくくなることがあります。

・昼夜逆転、夜鳴きの症状がある場合…

昼夜逆転を治すには昼間にぐっすりと眠れないようにすることです。

昼間に遊んだり、声をかけたりします。

他にも、朝起きて太陽の光を浴びる事で特有のホルモンが分泌され体内時計を元に戻すので意識して太陽光を浴びれるようにするといいでしょう。

そうすると夜の夜鳴きの回数を減らせると思います。

仕事をしていて難しい場合は、ペットホテルなどをうまく活用しましょう。

夜鳴きについての対応は夜鳴き専用のページに詳しく書いてあります。

夜鳴きや昼夜逆転、性格の変化など認知症になるとワンちゃんのお世話はとても大変です。

夜鳴きにより、寝不足や近所の方からの苦情など心身共に疲れてしまう飼い主さんも多いです。

疲れていることはワンちゃんにも伝わりますし、最適な判断も出来なくなります。

まずは、飼い主さんが無理をしないことが必要です。

そのために、老犬ホームなどを利用し飼い主さんが体調を崩さないようにしましょう。